ウエマツシホ×アライノゾミ 2人の表現中毒者が生み出す 写真と絵と文章
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今日も、降り崩れてきそうな星空の下、いつもの場所で、白いカエルのネロと緑色のウサギのココはおしゃべりをしていました。


二人のいつもの場所とは、南の国の一番はじっこにある町の一番端にある、巻き貝の形をした塔の下でした。

そこは、朝一番に海からお日様が顔を出し、それは朝日となり、夕方になると、お日様は、真っ赤になった夕日へと姿を変え、ゆっくりゆっくりと海に沈んでいくのを、毎日当たり前のように見る事が出来る、すばらしい町のすばらしい眺めのある場所でした。


白いカエルのネロは、こう言うのです。

「僕の仲間はみんな、僕をキレイな色だと言うんだよ。他のカエルにはいない色だし、僕は体も大きいから、走るのだっていつも一番なんだ。遠くにだって行けるし、頭だって悪くないハズさ。だから、みんな僕の事をスゴイって言うよ。
僕はカエルの中では、絶対に、今一番スゴイんだ。」

「私も知ってるよ。みんな、ネロの話をいつもしてるよ。町中では、ネロが一番スゴイって言ってたもの!
ネロはカッコイイよ!
いつも、何をするにも一番だし、ネロは絶対だもの。
私は、ウサギの中でも一番小さいし、走るのだって早くない。それに、体は何故かミドリ色。
あぁ。何故? どうして、こんな体に生まれてきたの!?
神様がいるなんて、とうてい思えない!!
いつも水に映る自分の姿が嫌になってしまう・・・・
だから、ネロ!私はネロと友達でいられる事だけが、一番の自慢なの!
ネロはとっても素敵だから、私のいつも目標なんだよ!」

ココはそう言いながら、うつむいたまま何も話さなくなってしまいました。


「ねぇ、ココ。ココは自分の正体を知っているかい?」

「正体??私がミドリ色のウサギだっていう事?」

「ううん。そうじゃないんだ。
僕は、白い色をしたカエルだけれど、本当はそうではないんだ。
僕は今、一番にすごいカエルと言ったけど、それは今、この時の、ほんの一瞬の間だけの事なんだ。

僕は、本当は、紙ねんどで出来ているんだ。
紙のねんどで出来たカエルなんだよ。

どうゆう事かわかるよね?

僕は、そのうち硬くなって、軽くなって、ひとつの塊になってしまうんだ。

そしてやがて、バラバラになって壊れてしまうんだよ。
ほかの仲間とは違うんだ。

いつまでも、今と同じではいられない事を、僕は知ってる。

ココ。
ココの正体はね、油で出来たねんどなんだよ。

だからミドリ色なのさ。」

「私は、油ねんどで出来ていたの?
だから、こんなに小さな体なのに重たくて、ミドリの色をしていたのね。
私は油のねんどなのね。」

「そうさ。
これがどういう事かわかるかい?ココ。
僕は、絶対じゃない。でも、ココ、君は違うんだよ。」

「どうして?どうして、ココとネロは違うの??」

「僕が思うに、ココは油ねんどで出来ているから、本当はなんだって出来るんだと思うよ。何にだってなれるんだ。カタチを変えて、望むものに。
もし、歩くのに疲れている人がいたなら、ココはすぐに椅子にだってなれる。
もし、暑さに負けて、苦しんでいる人がいるなら、ヤシの木になって、木陰を作ってあげる事も出来るんだよ。
だから、ココはなんでも出来るのさ。小さくて、ミドリ色なのは、決してココの正体じゃないんだよ。」

「ネロ!本当?
私、本当にそうならすごく嬉しい。私にも、何か出来る事があるのね!」

「そうだよ。ココ。
だから、ココは僕を目標にする必要なんてどこにもないんだ。僕と仲良く出来る事を自慢になんて思わなくていいんだよ。
だって、ココはもっとすばらしい存在なのだから!
僕は、ココといられて嬉しいよ。」

そう言うと、ネロは夏の海の底のような真っ青な瞳から、ピンク色の大粒の涙をこぼしました。

ネロとココが見つめ合うと、二人はお互いの瞳の奥に潜む深くとてつもなく広い宇宙の中へと吸い込まれていきました。

二人はいつのまにか、瞳の中の宇宙の中に大きく包まれ、プカプカと浮かんでいました。

先ほどの夜空よりも何倍も多い、星たちの群集が、二人の瞳の前に広がっていました。

ネロが流したピンク色の涙が、どんどん広がって、やがて海に流れ出しました。
ネロの涙が、真っ黒い夜の海に溶け出して、どんどん海がピンク色に染まり出しました。


朝が来たのです。

また、お日様が朝日となる時間が訪れ、海の裏側からゆっくりと昇り始めたのです。

それは、まるで明日の二人の姿を映し出しているかのようです。

昨日までの夕日は、朝日に姿を変え、また新たな一日の訪れを皆に知らせるのです。

昨日までのネロもココもそこにはもういないのです。


「ねぇ、ネロ。私はあなたにとても感謝しているの。だから、お礼のつもりで、私の話も聞いてくれる?」

「うん。聞かせてよ。ココ。」

「あのね。
ネロは、もうすぐ一つの塊になってしまうって言ったけど、きっと大丈夫よ。
何故なら、ネロは、自分が何であるかを知っているし、そして今日、私の中にあるものと同じモノを見つけた。
私にもネロの中にも、同じモノがあるって事に気づいたから。」


「ありがとう。  
  今日はまた暑いのかなぁ?ココ。」
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森の中に、みんな落し物をして行きます。

森は言うのです。

「どうぞ、私の中に落として行きなさい。」と。

森には、みんなが落としていった、言葉やため息が積もり、雪を被ったように、一面が真っ白になってしまっています。

みんなの落し物は、やがて 森を覆い尽くし、身動きがとれなくなりました。

それでも 森は言うのです。

「さぁ、どうぞ。私の中に、全て落として行きなさい。」と。

何故なら、森は 全てを愛していましたし、それ故、何も怖い事などなかったのです。

森は、静かにそこに在るだけだったので、愛する全てのために出来ることと言えば、やはり そこに在るという事だけでした。


どんなに覆いつくされようとも、どんなに身動きがとれずとも、森は、みんなの落としていった ため息と言葉達があったので生きる事が出来ました。

どこにも行けず、何も見る事ができなくても、森にとって 決して同じ景色ではありませんでした。

皆の落し物がそうさせたのです。

森は、皆の言葉から、色んな悲しみを見ました。
森は、皆のため息から、多くの絶望に会いました。

森に、落としてゆく多くの人々から 笑顔を見ることが出来ました。

森は、そこに在るという事で、多くのことを知りました。
それだけで、森は幸せでした。

でも、ある時 ひとりの女の子が、森に落し物を拾いに来たのです。

「ねぇ?わたし、ずっと昔に あなたの中に落としてしまったの。ごめんなさい。
 でも、わかったの。」

そう言うと、その女の子は 森の中にある 白く積もった おとし物達を まるで 雪をかいていくように 両手で掘り出した。
やがて 森は 青く繁った山肌を見せ始めた。

「息苦しかったでしょ?ごめんなさい。
 わたし、気づいたの。 
 あなたが このままではいけないっていう事に。 
 
 あなたに覆い積もった落とし物達を 全て取り除いて、あなたの本当の目で 愛するもの全てをみるべきだって。
だから、すぐに。今すぐに。 」
 
そう言うと、女の子は 落し物を堀り続けた。

森は、急に 大声を上げて 泣きだした。

けんけーん ほろりん。けんけーん ほろりん。

森は 変な声を上げて 泣き続けた。

その泣声は 遠くの方まで 響き渡り、となり町の森の向こうまで こだました。

女の子は 森の泣き声が あまりにおもしろかったので、大声を上げて 笑いだした。
おなかがよじれるくらいに 笑い転げて、大声でわらい続けた。

それを見ていた森も なんだか おもしろくなってきて 大きな声で笑い始めた。

二人は 大声をあげて 何時間も何時間も笑い続けた。

落し物がかき出され、森の本当の姿が見え始めた頃、森は とっても軽くなるのを感じた。

今まで見えなかった 遠くの景色も 自分の姿も 自分の眼で、隅々まで はっきりと見えるようになった。

女の子は嬉しそうに そこに立っていた。


森は 軽くなった体を持ち上げ、女の子を 優しく抱きかかえ
そのまま 新しい朝日が差し込む方へと ゆっくりゆっくり
自分の足で歩き続けて行った。
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プロフィール

ウエマツシホ×アライノゾミ

Author:ウエマツシホ×アライノゾミ
京都の山奥の大学で出会ったゆる~い2人

●ウエマツシホ●
北海道生まれ。

●アライノゾミ●
愛知県生まれ
表現しないではいられない
表現中毒者かつ欲求不満生物。
大好物はラッキーストライクと辛いジンジャーエール

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